2021年に行われた「TOKYO2020Paralympic Games」Men’s Wheelchair basketball Game1 スペイン vs 韓国戦をゲームレビューしました。
東京2020パラリンピック車いすバスケットボール男子の開幕戦。
エース#40キム・ドンヒョンを擁する韓国に対して迎え撃つのはリオパラリンピック銀メダルチームのスペイン。高さが強みであるスペインに韓国がどう攻略するのか。初戦をピックアップ!
【開幕初戦の固さが見えた韓国代表 第1Q】
TIPOFF
韓国ボールでスタート。ボールを動かすオフェンスを展開しながらインサイドを狙うが相手の高さに苦戦し、なかなかショットが入らない。韓国の出だし、オフェンスファウルや凡ミスにより流れが悪い印象。
一方、スペインは#13 を中心としたゲーム展開で4-0のラン。その後もスペイン#13のドライブで得点。韓国もやり返す。
残4分で韓国タイムアウト。攻→守の切替を修正した印象。だが、ハーフコートの攻防はスペインに分があり、韓国はショットファウルを犯しFTを与えてしまう。
しかし、これを決めきれず。16-10で第1Q終了。
【冷静さが際立ったスペイン代表 第2Q】
第2Q開始。
韓国は3センターでオフェンスに変化をもたらす。スペインは1Qと同様でアーリーな展開からインサイドを攻める。開始2分までに点の入れ合いが続くが、韓国#23のテクニカルファウルが吹かれ、早くも個人ファウル4つ目。たまらず韓国タイムアウトとメンバーチェンジを行う。さらにオールコートプレスで応戦。スティールからのオフェンスに繋げて4-0のランを展開。
ただ、スペインは冷静だった。#13のボールキャリーに対してクロス。アウトナンバーを作って空いたスペースにアタック。ゴール下での得点を重ねる。
その後も韓国はオールコートプレスを続ける。#40がボールを持つ時間が増えてきているが、徹底した守備に阻まれるがタフショットを沈める。
31-24で2Q終了。
【意地を見せる韓国代表 第3Q】
スペインは1Qと同じメンバー、韓国は2Qと同じメンバーで後半開始。
前半と同様に、スペインはアーリーな展開からインサイドを攻める。ハーフコートOffになれば、高さのミスマッチを活かす。一方、韓国はハイポインターがボールをコントロールしながら展開するが停滞気味。#40がショットを沈めて食らいつく。
だが、韓国にミスが目立ち始め、8点差ついた時に韓国タイムアウト。その直後、#23が3Pを決める。さらにスペインのミスが連発し、韓国の速攻が決まり、3点差に迫る。
スペイン初めてのタイムアウトを要求。その後は、韓国がゴール下のショットを2度も外してしまい、逆転とならずに43-40で3Q終了。
【フィジカルの強さが差を生んだスペイン代表 第4Q】
開始早々、スペインにショットを決められるが韓国も意地のオフェンスでやり返す。一進一退の展開の中、韓国にアンスポーツマンライクファウル。続いてスペインにテクニカルファウルが吹かれる場面があった。お互いファウルによるFTが決めれず、3点差でスペインリード。その後も3点差で攻防が拮抗していたが、スペイン#11による3Pショットで流れが変わる。#13のAND1もあり、最大12点差。
韓国もタイムアウト・メンバーチェンジを行い、流れを引き寄せようとするがチームファウルが痛手になり、要所でスペインにFTを与えてしまい点差が縮まらずにゲームオーバー。
65-53でスペインの勝利。
【ゲームスタッツ】
スペイン代表 | 全体 | 韓国代表 |
43%(24/56) | 2P | 33%(17/51) |
17%(1/6) | 3P | 23%(3/13) |
40%(25/62) | FG | 31%(20/64) |
58%(14/24) | FT | 45%(10/22) |
9 – 37 – 46 | リバウンド | 11 – 30 – 41 |
20 | アシスト | 18 |
15 | ターンオーバー | 16 |
まとめ
男子開幕戦の結果はスペインの勝利。序盤からインサイドを中心としたオフェンスを徹底して韓国を苦しめていた印象。韓国も3Pショット、ハイポインター3枚を使った戦略や流れを引き寄せようとするが重要な場面でのFTを決めきれずにいた印象があった。
スペインは一度もリードチェンジを許さない盤石なゲーム展開はあっぱれ。選手たちの落ち着きや銀メダルチームのプライドを感じたゲームだった。
韓国は主力のファウルトラブルや徹底した守備に対しての打開策がいまいちだった。主力とベンチメンバーの連携プレーが噛み合っていないようにみえた。これも開幕戦がもたらすメンタルが影響したのか。