2022年11/4〜6にドイツで開催されたNationsCup。参加チームはドイツ、オーストラリア、そして日本。
東京パラリンピックでは銀メダルを獲得した日本。
一方、同じく東京パラリンピックに出場。予選ラウンドでイギリスに勝利したものの、アメリカやオーストラリアと接戦を演じたが、惜しくも予選敗退となり全体7位で終わったドイツ。
東京パラリンピックの舞台では対決がみられなかった両者。
今回は唯一、ライブ配信された11/5のGame4 日本vsドイツの一戦をゲームレビューしました。
ライブ配信されなかった他の試合結果はこちら⇩
Game1 ◯ オーストラリア 75 vs 64 日本 ✕
Game2 ✕ 日本 49 vs 82 ドイツ ◯
Game3 ◯ 日本 75 vs 69 オーストラリア ✕
Game5 ✕ 日本 60 vs 67 ドイツ ◯
Game6 ✕ 日本 62 vs 68 オーストラリア ◯
背番号 | 選手名 | クラス |
---|---|---|
1 | 川上祥平 | 2.0 |
2 | 鳥海連志 | 2.5 |
4 | 髙柗義伸 | 4.0 |
6 | 川原凛 | 1.5 |
7 | 古澤拓也 | 3.0 |
8 | 赤石竜我 | 2.5 |
13 | 藤本怜央 | 4.5 |
14 | 竹内厚志 | 3.0 |
18 | 宮本涼平 | 1.0 |
24 | 村上直宏 | 4.0 |
25 | 秋田啓 | 3.5 |
55 | 香西宏昭 | 3.5 |
背番号 | 選手名 | クラス |
---|---|---|
4 | Phillip Schorp | 1.0 |
5 | Nico Dreimuller | 2.0 |
6 | Mathias Guntner | 4.5 |
7 | Christopher Huber | 1.0 |
8 | Thomas Reier | 4.5 |
9 | Tobias Hell | 1.0 |
10 | Jan Haller | 2.0 |
11 | Jan Sadler | 3.0 |
12 | Jens Albrecht | 3.0 |
14 | Alexander Halouski | 4.5 |
15 | Alexander Budde | 3.5 |
16 | Basti Kolb | 2.5 |
17 | Julian Lammering | 3.5 |
Total | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | |
日本 | 48 | 22 | 6 | 6 | 14 |
ドイツ | 70 | 13 | 18 | 25 | 14 |
Tipoff→ドイツボールで試合開始。
日本のファーストポゼッションから先取点は生まれた。
持ち点のアドバンテージと高さのミスマッチを突いて#8赤石のペイントアタックからのショットで先制。
すぐさまドイツも#14Alexander Halouskiが同点ゴールを決める。
日本のディフェンスシステムは、U23でも採用されていた「フラットディフェンス」で守る形だ。
そして、ハーフコートに入れば積極的にジャンプアップをしてボールマンへ激しいプレッシャーをかける。また、スイッチ&ローテーションで対応する格好。
激しいディフェンスからオフェンスに転じる速さは東京パラリンピックでも魅せた「トランジションバスケ」が、ここでも機能した。
日本のトランジションバスケに苦戦したドイツはファウルが重なり、1Qだけで9個もコールされた。(テクニカルファウル含む)
そのため、日本はファウルで得たFTが14本。そのうち10本を決めて第1Qの約半分はFTでの得点となった。
いかに日本の素早い攻撃力にドイツが苦戦したのかがデータからよくわかる。
一方のドイツは、チームファウルトラブルや序盤、4分間の無得点など日本のディフェンスに苦しみながらも#14Alexander Halouskiを軸にチームで13得点を挙げた。
22-13で日本が9点のリードで1QEND。
ドイツは#6Mathias Guntnerと#9Tobias HellがOUT。
#5Nico Dreimullerと#15Alexander BuddeがIN。
日本は#13藤本、#8赤石がOUTし、#55香西、#25秋田がコートIN。
両者ともメンバーチェンジを行い、4点プレイヤーに代わり3点台のミドルポインターを多く入れるラインナップで臨む。
1Qに比べ、日本のインサイドが割られてしまうケースが目立った。
ドイツのサイド2on2にハーフジャンプで対応するディフェンス。しかし、リカバーのタイミングに対してスリップを許してしまい、得点を奪われてしまう。
さらに、インサイドで仕事する#25秋田に対してバックピックを仕掛けて、アーリーオフェンスで得点を挙げて6−0のランを展開し、点差を詰める。
2Q開始5分を過ぎたところで、勢いをつけて点差を詰めたいドイツと流れを変えたい日本の両者ともにメンバーチェンジを行う。
日本は#7古澤と#25秋田の代わり、#8赤石と#2村上4がコートIN。
#55香西のミドルショットが決まった直後、オールコートプレスディフェンスを仕掛ける。
コート内の戦いに、より一層の激しさが増すなか、ドイツが日本のプレスディフェンスをかいくぐりながら得点を重ねて、逆転。今ゲームで初めてリードする。
その後、#10Jan Hallerのミドルショットが決まり、リードを3点に広げて2QEND。
ドイツは2Qだけで、18得点を挙げて逆転。
一方の日本は、相手の2−3ゾーンディフェンスに対して苦戦を強いられ、チームFGが3/15(20%)とショットが停滞し、わずか6得点にとどまった。
ドイツは2Qと同様のラインナップ。
日本は#13藤本と#55香西のダブルエース。そして、スピードが持ち味の#1川上をコートへ。
最初のポゼッションで#55香西のアシストを受けた#13藤本がミドルショットを決める。
しかし、相手の2−3ゾーンディフェンスに再び苦戦。ミドルショットが決まらないことやターンオーバーからカウンターを食らって、ドイツに8−0のランを展開される。
日本のタイムアウト後、デザインされたプレーかどうか定かではないがゾーンアタックで#13藤本のミドルショット、#6川原のカットインで得点。
だが、ドイツ#10Jan Hallerの2本連続で決めた3Pショットや#5の3点プレーで主導権を譲らない。
3点差で始まった後半も、3Q終了時点では、34−56と22点差と大きく開いてしまった。
ちなみに両チームのFG%は日本、3/15(20%)。ドイツは11/17(64%)。
最終Q、ドイツはここまで得点源である#6Mathias Guntnerと#14Alexander Halouskiをベンチへ下げて、U23代表でもロスター入した#16Basti Kolbをコートへ。
日本は若手中心のラインナップで臨み、点差をどこまで詰めれるか。
早速、#7古澤のスキップパスを受けた#8赤石がミドルショットを決める。
その後、#4髙柗が2本連続でショットを決めて、さらに点差を縮める。
日本のオールコートプレスに気圧されたか、ドイツがバックコートヴァイオレーションやインバウンズミスなどターンオーバーを頻発。タイムアウトを要求。
依然として2桁の点差はあるものの、ドイツは主力をコートに戻すなど修正を図る。
主力を戻したドイツは落ち着きを取り戻し、安定した試合運びで20点差近いリードを維持。
残り2分を切ったところ、日本は負けじと、#4髙柗が執念のシュートチェックや途中交代でコートインした#14竹内が2本連続の3Pを沈めて意地をみせる。
だが、最後まで安定した試合運びを崩さなかったドイツ。Total48−71と23点差でゲームEND。
ゲーム終了後、会場にいる観客からの拍手喝采を受けながら両チーム、ハイタッチを交わして称え合った。
「2022 Nations Cup」Game4 日本vsドイツは、強固なディフェンスと高さを活かしたオフェンスで主導権を握ったドイツが48-71で勝利。
勝利したドイツは、#14Alexander Halouskiが16得点、12リバウンドのダブルダブルの活躍。#5Nico Dreimullerは15得点、8アシストでオフェンスに貢献。
チームとしてFGを31/62(50%)と高確率でショットを決めたことや、PIP(Points in the paint)が32得点と、日本の16得点に比べて2倍の得点を挙げたことは、ペイントを支配したといえるだろう。
また、2〜3Qでみせたゾーンディフェンスにより日本の得点を抑えたことが勝利した要因の1つになったと思う。
一方、敗戦となった日本は、攻守の要として#13藤本が11得点、6リバウンドの活躍。唯一のフル出場となった#2鳥海は2得点、11リバウンド、5アシストと得点はあまり伸びなかったが高さのある相手に負けじとリバウンドで貢献。
スターティングメンバーを軸にしつつ、ベンチメンバーも起用しタイムシェアを行った今ゲーム。
1Qは日本のペースでリードしていたが、2〜3Qで失速。相手のゾーンディフェンスに対してわずか6得点にとどまった。
4Qには若手中心のラインナップや途中出場ながら2本連続の3Pを決めた#14竹内など良い収穫があったのではないだろうか。
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