女子車いすバスケットボール世界選手権2022 アルジェリアvs日本【試合分析】

2023年6月10日、ドバイで行われた「車いすバスケットボール世界選手権」Game3 アルジェリアvs日本の一戦をスタッツと戦略から分析!

試合概要

大会名:女子車いすバスケットボール世界選手権2022

日時:2023年6月10日

場所:UAE(ドバイ)

対戦カード:女子アルジェリア代表 vs 女子日本代表

対戦カード

アルジェリア

引用:”SUSHICOすしこ(@3110_chacco)”さんのツイート

スタッツ

ゲームスコア

Total1Q2Q3Q4Q
アルジェリア36410175
日本7024181612

ベーシックスタッツ

アルジェリア日本
PTS3670
FG16 / 37 (43.2%)29 / 72 (40.4%)
3P1 / 11 (9.1%)3 / 5 (60.0%)
FT1 / 4 (25.0%)3 / 8 (37.5%)
AST314
REB(OR/DR)37(9 / 28)29(10 / 19)
BLK00
STL415
TO307
PF138

PPP /POSS /4Factor(eFG%/TO%/FTR /TRB%)

アルジェリア日本
PPP0.450.80
POSS79.7687.52
eFG%36.5%43.5%
TO%37.6%8.0%
FTR8.3%10.4%
ORB%32.1%34.5%
DRB%75.7%65.5.%
TRB%56.1%43.9%

※4Factorについて知りたい方ははこちらをお読みください。

場所・状況別の得点

アルジェリア日本
速攻12点20点
ハーフコートオフェンス
(ペイント + ミドル + 3P) 
23点47点
ペイント16点18点
ミドル4点20点
3P3点9点
FT1点3点

チーム・個人スタッツ

アルジェリア

日本

プレー分析と解説

▼日本のGoodディフェンスシーン▼

【解説】

日本の#18北田がミドルショットを入れた直後、すぐさまプレスディフェンスの準備に入る。

高い位置(相手バスケットの近く)で相手を捕まえ、ズレが生じないようラインを揃えて相手の突破を封じる。

このシーンでは、アルジェリア#15Menouba Foulaniの突破に対して#4柳本と#10萩野の2人で進路を阻んだ結果、オフェンスファウルを誘発したGoodディフェンス。

▼日本 素早い攻撃①・②▼

【解説】

①・②どちらもアルジェリアのショットミスを確実にリバウンド。そして日本の素早い切り替えからの速攻。

①は北田がハーフラインまでボールプッシュ。右サイドを走っていた柳本にお膳立てのパスでフィニッシュ!

②もフィニッシュは柳本のレイアップ。網本がディフェンスリバウンドからのタッチダウンパスのシーン。

▼日本 セットプレー BLOB▼

【解説】

ベースラインからのスローインの際によく使われていた日本のセットプレー。

まず、ハイポインター(ここでは、網本と清水)がハイポスト、ローポストに位置する。

2人の間にシューターである柳本が入る形。

そしてパサーにボールインした瞬間に柳本が外へ飛び出し、ミドルショットを狙うプレー。

▼日本 セットプレー BLOB(変法)▼

【解説】

ベースは上記のセットプレー(柳本がショットを打つ形)だが、ディフェンスの状況に対してアジャストしたシーンがあった。

シューターの柳本を止めるためディフェンスがプレッシャーをかけにきた場合、パサーである立岡がペイントへカットインしたプレー。

惜しくもパスミスという結果になってしまったが、ローポインターである立岡が背中側から来る難しいパスをキャッチし、ショットを決めることができればオフェンスの選択肢が広がり、ディフェンスにとって脅威である。

▼アルジェリアのプレスブレイク▼

【解説】

ボールマンにディフェンスが寄った瞬間に、アルジェリアの選手がクロス。

相手の戻りを封じ込め数的優位を作り出し、前線へ。

パスを受けた#12Kheira Zairiがそのままゴールへアタックし、レイアップを決める。

個人的ハイライトシーン

▼#10萩野の3P▼

分析まとめ

女子日本代表の初戦アルジェリアは70対36で勝利。

日本が終始リードを得て、主導権を握ったゲーム内容。

12人中、11人が得点を挙げるなどスターティングファイブおよびベンチメンバーの活躍が光った。

その中でも柳本が20得点の大活躍。2P%は70%(7/10)、3P%は50%(2/4)と高確率でショットを沈めて存在感を示した。

セットプレーでファーストオプションとして採用されるのも頷ける。

特記すべきところは、4Factorのスタッツで日本はアルジェリアに対してPPP(0.80)とeFG%(43.5%)で優位に立つ。

その背景に柳本の活躍はあるものの、チームの要であるプレスディフェンスが最大の要因ではないだろうか。

アルジェリアのターンオーバーを何度も誘発し、日本は攻撃回数を増加させていった。

素早い切り替えからプレスディフェンスに転じ、相手の突破を封じ込める。

個人の能力もさることながら40分間通して実行できるチーム力は天晴れ。

日本のストロングポイントが攻守ともに顕著に表れていたゲームだと感じた。


一方、アルジェリアは少ない攻撃回数の中でも2Pを43.2%(16/37)とショットを決めた。

特にペイント内の得点は日本に引けを取らなかった。

#9Djamila Khemganiと#12Kheira Zairiが2ケタ得点を挙げて、チームを牽引。

プレスディフェンスに苦戦しながらも最後まで攻めの姿勢を貫いた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA